小ネタから裏話まで!「ジャンクハンター吉田のアクション映画再評価」~『96時間 レクイエム』編

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強い、いや、強すぎるリーアム・ニーソンが観れるシリーズ『96時間』
最新作であり第3弾であり、恐らく最終章の『96時間 レクイエム』を劇場で観てきましたが、単純明快なストーリーも健在で安定した面白さでした。ただ、”96時間”はまったく関係ない。
日本の配給会社がシリーズ第1弾の際、原題『TAKEN』を『96時間』にしちゃったもんだからその後も変えることができず・・・まぁ配給会社が20世紀フォックスでもあったので『24-TWENTY FOUR-』的な “24時間” を意識しての邦題なのでしょうけどね。

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シリーズを重ねるごとにアクションも派手になってますが、それと同時に時間の経過は残酷です。ダークマンでありロブ・ロイであり、クワイ=ガン・ジンなリーアム・ニーソンも歳を重ねていきますから、アクションシークエンスを編集で巧みに繋いでいくことが最大のポイントなのも事実。舞台がロサンゼルスへ移り、映画に寛容な街だからこそのアクション満載な映画へと変貌した『96時間レクイエム』ですが、まずはカーアクションについて。
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全米都市部においてド派手なカースタントが許されるのは映画の都ハリウッドがあるロサンゼルスならでは。もちろん都市部以外の郊外での追走劇もあったり、これでもかといわんばかりにカーアクションが豊富で飽きさせない展開になってます。
どこをどの方向目指して車を走らせているかのイマジナリーラインが分かりづらい部分だけがマイナスでしたが、『96時間』シリーズとしては最高のカーバトルを魅せてくれましたね。
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銃撃シーンに関してですが、こちらもシリーズ最大のドンパチを魅せてくれます。
特に圧巻だったのがリーアム演ずるブライアン・ミルズが元スペツナズのオレグ・マランコフのいるペントハウスへのカチコミのシーン。やはりここでも安定の強さを誇り、銃を構えて襲撃してくる手下共を続々と簡単に始末していきます。ここまで負ける要素ゼロ確定な主人公はスティーブン・セガール以来でしょうか。
しかし、このペントハウス内ではクリス・スーパーVにHK416、ベネリM4などでミルズに対してミドルレンジで射撃してくるもヒューマンシールドで防ぐなど、無敵さの演出にはなぜか笑いが込み上げてきます。
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マランコフはFNのSCARでミルズをシバキにかかりますが、迂闊に近寄りすぎたことで反撃に遭ってしまう情けない部分も。近接攻撃でスペツナズが得意とする立ち関節技をミルズが仕掛けて腕を折るシーンに驚かされました。CIAよりもスペツナズの方が近接攻撃に関して遥かに上なのでは? 逆に考えるとあの立ち関節技で反撃するシーンは、スペツナズのお株を奪う狙いすました反撃と考えれば納得いきます。

あくまでも妄想と想像ですが、ナイフ攻撃も見せ場になるはずでしたが、どういうわけかナイフ戦がなかったのも意外でした。しかし、リーアム・ニーソンの近接攻撃は特殊部隊上がりの攻撃スタイルを踏襲しているのでリアリティーはかなりのものです。
なんにせよ、筆者的には本作のクライマックスで『ロボコップ』のエンディングオマージュを挿入しているところに一番心動かされましたけどね。

映画「96時間/レクイエム」予告編(1:35)~Youtube
[youtube]http://youtu.be/GuTAexteiFE[/youtube]

ジャンクハンター吉田
http://www.junkhunteryoshida.com/
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズの著者であり、ゲーム・映画のコラムニスト扱いされている肥満児(非卍)かつ、体を張ったフリーのジャーナリスト。リブート版新生『ロボコップ』Blu-ray&DVD発売中。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもりな今年44歳のダメ人間。

ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズ(三才ブックス、マイクロマガジン)の著者であり、ゲーム・映画のコラムニストとして活動するかたわら、体を張ったフリーのジャーナリストとして数々の無茶ぶりなオーダーもこなす。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもり。

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