小ネタから裏話まで!「ジャンクハンター吉田のアクション映画再評価」~『ロボコップ』編

10回に渡ってお送りした『心に残った銃撃名場面ベストテン』。ようやく、ここに来て1位について書くことができます。
第1位は有無をいわさずポール・ヴァーホーヴェン監督のオリジナル版『ロボコップ』でございます。

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44年間生きてきた自分史の中でも迷いなく傑作中の傑作であり、名画的作品としても、そして銃撃映画としても、エクストリームなゴア表現映画としてもオールタイムベストワン。
劇場公開時には50回も映画館で鑑賞し、その後ビデオ化、LD化、DVD化、Bluray化、ビデオ・オンデマンド化されたのを見続けて現在に至るのですが、最低でも週に1度は『ロボコップ』を自宅で鑑賞しています。多い時には毎日だったりするのですが、何回観たか尋ねられることも多々あって・・・数え切れないので最近では1,000回は超えていると答えています。
そして皆さんが楽しみにしているであろうトリビアですが、『ロボコップ』に関しては2014年にリメイクされた『ロボコップ』セル版Blurayの特典「ヒストリー・オブ・ロボコップ」にも多数執筆しています。
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イラスト:やまもとわかな

その『ロボコップ』では、大量の銃器やらコブラアサルトキャノンなどマニアックな銃火器のオンパレード。どれも甲乙つけがたくワンシーンを選べませんでしたのでお気に入りシーンをピックアップして解説させて下さいませ。

まず、クラレンス一味がバンで逃げ去るところに、ルイスの運転するパトカーでマーフィがH&K P9SとルイスのSIGSAUER P226を借りて、二挺拳銃での銃撃戦するイカしたシーン。ベイジル・ポールドゥリスが奏でる「VAN CHASE」というサウンドトラックがカッコよすぎてスマホの着信音にしているほどです。ちなみにリメイク版でもマーフィが潜入捜査時にベレッタ Px4sを二挺を構えるシーンがあります。

もう1つは閉鎖された製鉄所まで追ってきたマーフィを返り討ちにするシーン。クラレンスが最初にM1912ショットガンを持って「ナナナナナナナナナ」といいながら倒れているマーフィの右手首を一撃で吹っ飛ばします。このシーンは『タクシードライバー』のオマージュです。初見で鑑賞した時はとても切なく悲しくなったと同時に、マーフィに対して絶望感を与える大変恐ろしいシーン。
もう1つ『タクシードライバー』オマージュといえば製鉄所のクライマックス。クラレンスが「サヨナラ、ロボコップ!」と上からトドメを刺す瞬間に、ロボコップの右手の鋭利な端子をクラレンスの首へぶっ刺すシーンです。これはトラヴィスが袖に隠し持っていたスリーブガンのオマージュなんだとか。
『ロボコップ』と『タクシードライバー』は親和性が高いですね。

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さらに右手を失ったマーフィが立ち上がるとクラレンス一味が蜂の巣にするべく銃弾の雨を降らせるシーンは、『ゴッドファーザー』でソニーが料金所で射殺されたオマージュだそうです。
筆者が『ロボコップ』『タクシードライバー』『ゴッドファーザー』を何度も鑑賞する意味は、これら3作品が持つ”共通する何か”があるからなのです。

脳死寸前だったマーフィがロボコップとなって再び息を吹き返した後の最大の見せ場となると、麻薬精製工場へカチコミですね。敵側の銃撃もカッコよいのですが、やはりロボコップがターゲットを見ないで的確に撃ち込むオート9(ベレッタ93Rの改造プロップ)! シビれます。
ちなみにこのダンスのような射撃シーンをオマージュしたのはカート・ウィマー監督の『リベリオン』。そう、ガン=カタです。また、関係者から確認が取れてないのですが『ウォンテッド』のクライマックスでジェームズ・マカヴォイが工場へカチ込むシーンも『ロボコップ』オマージュな気がしてなりません。

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他にも多くの名場面はあるのですが、細かいところでは酒屋強盗のスターリングSMGの射撃でもロボコップはびくともせず、銃身をグニャっと曲げられて裏拳で吹っ飛ばされるシーンや、ED-209の初登場シーンでジョーンズがデザートイーグルでオムニ社の会長を人質に取るシーンなども印象深いです。

最後に、オムニ社の会議室にあったデザートイーグルには銃弾が込められてない設定だったとか。つまりジョーンズはこれを知らず、でも会長はそのことを知っていたから「お前はクビだぁー!」と肘鉄を食らわし、ロボコップことマーフィが射殺できたという、ホントどうでもよいネタで『心に残った銃撃名場面ベストテン』を締めさせて頂きます。

ジャンクハンター吉田
http://www.junkhunteryoshida.com/
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズの著者であり、ゲーム・映画のコラムニスト扱いされている肥満児(非卍)かつ、体を張ったフリーのジャーナリスト。リブート版新生『ロボコップ』Blu-ray&DVD発売中。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもりな今年44歳のダメ人間。

ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズ(三才ブックス、マイクロマガジン)の著者であり、ゲーム・映画のコラムニストとして活動するかたわら、体を張ったフリーのジャーナリストとして数々の無茶ぶりなオーダーもこなす。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもり。

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