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小ネタから裏話まで!「ジャンクハンター吉田のアクション映画再評価」~エディ・マーフィ編ラスト

エディ・マーフィーをフィーチャーするラストは『ビバリーヒルズ・コップ3』なのですが、実はパラマウント・ピクチャーズからの評価は良くなく、観客や批評家からの評価も低かったという黒歴史になってます。
エディ本人も「ゴミみたいな映画」と公で発言し、本作によってブランド価値が下がったことを嘆いている始末。じゃあ、無理して作らなければよかったのでは、と思う筆者は残酷でしょうか?

パート1と2をプロデュースしたドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマーは既にパラマウントを退職して独立済だったことから『ビバヒル3』には一切ノータッチ。作曲家ハロルド・フォルターメイヤーも彼ら2人に続き降板(アクセルのテーマは劇中で使っていましたが)。キャストたちもレギュラーメンバーはエディ以外にはジャッジ・ラインホルドのみが再登板。他の面々はスケジュールが合わないなどの理由でしたが、それも本当かどうかわかりませんけどね。
『ビバヒル3』はあまりにも今更感があって、ロニー・コックスは難色を示したり、スタッフも皆一新されたことからオファーを蹴っていたともいわれてます。

3の監督はコメディを撮らせたら抜群に冴えるジョン・ランディスですが、彼が演出しているにも関わらず笑えるシーンが圧倒的に少ない。
それは『コマンドー』『ダイ・ハード』などで80年代に一世を風靡した脚本家スティーヴン・E・デ・スーザの脚本がダメだったからだ、とパラマウント首脳陣は後悔しています。デ・スーザは『ハドソン・ホーク』の大失敗で、それまで得てきた商品価値が大きく下がり、名誉挽回とばかりに『ビバヒル3』の脚本を執筆しますが、本シリーズに大して思い入れがなかったことから『ビバヒル』全体像を把握しておらず、さらにエディが運営する製作プロダクションからの脚本に対するリクエストも多かったのが敗因で『ビバヒル』らしさが随分と失われてしまったそうです。

シンプソンとブラッカイマーが不在だったのもマイナス要因。エディの製作プロダクションはシリーズ1作目から参加していますが、エディ本人は経営にノータッチで、実務は親族やら親戚関係やらが行っていました。『ビバヒル2』まではシンプソンの豪気で豪快な性格に圧倒され脚本には口出しをしていませんでしたが、『ビバヒル3』に関しては難癖を付けまくったのだとか。
エディ自身も『48時間PART2』以降ヒット作に恵まれておらず、起死回生を狙った『ビバヒル3』でしたがエディ側から積極的に名乗りだして製作を進めたこともあり、予算を多く集めてきた側は口出しも多いという「典型的な製作現場」だった模様。

『星の王子ニューヨークへ』のジョン・ランディス監督を『ビバヒル3』で起用したエディでしたが、ランディス監督は当時マイケル・ジャクソンから大のお気に入り監督としてミュージックビデオ製作も頻繁にオファーされており(『狼男アメリカン』を観たマイケルはランディス監督を気に入り、指名して『スリラー』のPVを撮らせた)、その関係からエディ自身もマイケルのPVには良く出演していました。そのあたりの関係もあり、ランディス監督は「ちょうど暇でエディから頼まれたから」との理由で『ビバヒル3』を引き受けます。つまり、ランディス監督も『ビバヒル』に対する思い入れはなかったわけですね・・・。

ランディス監督とエディは、シリーズ出演者の再登板が少ないことからランディス監督の持ち味であるカメオ出演を『ビバヒル3』で採用することにします。
『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカス、ストップモーション界の大御所レイ・ハリーハウゼンなど、多くの映画関係者や音楽関係者がこぞって出演しました。でも、『ビバヒル3』はそれぐらいしか興味をそそられるものがなく・・・。

ランディス監督は自身が『ロボコップ』にもカメオ出演したり、監督作『眠れぬ夜のために』では異常なほどのカメオ出演オンパレードをやったり、遊び心が大好きです。そしてホラー映画も大好きなもんだから、『ビバヒル3』では殺害シーンにおいての流血出血量が過去最大でバイオレンス度が高いわけです。
また、冒頭の車整備工倉庫内でアル・レオンが即効で殺されてしまうところは実に残念。殺す側に回ると彼のポテンシャルが活かされるのに・・・。

そんな『ビバヒル』は1994年のパート3を最後にフェードアウトしたように思えますが、2013年にテレビ映画としてアクセル・フォーリーが警察署長に就任し、息子が刑事になった内容で1本だけ作られています。
バリー・ソネンフェルド監督がメガホンを取ってパイロット版で作られた本作ですが、エディとラインホルドの2人だけがオリジナル版から継続して出演。プロデューサーにはジェリー・ブラッカイマーが復帰。実は本作は米国地上波民放のCBSで作られており、ブラッカイマーはCBSの重役でもあります。
しかし、このパイロット版はお蔵入りになってしまいます。
パイロット版次第で連ドラにするつもりでしたが、ブラッカイマーが2014年にパラマウントと3年間のファーストルック契約を結んだことで、急転直下『ビバヒル4』を作るといい出したのです。『ビバヒル3』のその後がこのテレビ映画だったので、パイロット版をオンエアしてしまうと映画版のナンバリングが『~4』という兼ね合いなど、いろいろ面倒になることを懸念して封印してしまったわけです。ドラマ化に期待していたキャスト&スタッフはその事実に衝撃を受け、メンバーは解体されることに。

で、その『ビバヒル4』ではブラッカイマー以外に大物プロデューサー、ロレンツォ・ディボナヴェンチュラまで参加することになり、ロレンツォも『ビバヒル3』を嫌っており、ジャッジ・ラインホルドとジョン・アシュトンのローズウッド&タガートも復活させるつもりでいるのだとか。演出担当はブレット・ラトナー監督で決まり、オリジナルキャストな3名の刑事もほぼ出演に快諾していることで、あとは脚本の完成を待つのみ。

「ローズウッドが自殺したと聞き、デトロイトからビバリーヒルズへ久々に足を運んだフォーリーは、根拠はないが他殺と考え、ビバリーヒルズで太めの新しい相棒と共に捜査する」物語と、「ビバリーヒルズで万年ヒラの警察官としてお調子者なお気楽生活をしていたフォーリーが、記録的寒波に襲われたデトロイトが犯罪多発し始めたことで地元へ戻り、事件解決に奮闘する」物語という2本のシナリオを同時進行でブラッシュアップしているそうです。

こう察するとCBSで予算かけて作ったパイロット版が映画版の本筋とは絡んでこなくなるので封印した理由が分かります。このテレビ映画版って何とか観られないものでしょうか。うーむ。

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WRITER PROFILE

ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田 書籍『ゲームになった映画たち』シリーズ(三才ブックス、マイクロマガジン)の著者であり、ゲーム・映画のコラムニストとして活動する...

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