【映画】『ジョン・ウィック』は2015年ナンバーワンのガンアクション作品だ!【マニアも納得】

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公式web

ハリウッド映画としては低予算な2,000万ドルで作られた『ジョン・ウィック』
2014年10月の北米公開直前にはRotten Tomatoesの点数が関係者及びマスコミから100点、一般観客からは98点と(現在は85点/80点と落ち着いた模様)試写で鑑賞した方々からの異常で異様な高いスコアに驚かされた。

そしてあれから約1年の時を経て日本公開となるのだが「分かりやすく単純な内容こそがアクションの基本」をしっかり踏襲。
「殺された愛犬の復讐と奪われた愛車を取り戻すためにロシアンマフィアを壊滅へ追い込む元凄腕の殺し屋」な設定も、やるべきこと(殺るべきこと)のテーマが誰が観ても一目瞭然だからこそ、そして感情移入しやすい復讐劇だったからこそ大ヒットしたのではないかと分析できる。
作品のどこかしこに70年代に流行ったヴェンジェンス・ムービー的な香りも漂い、シナリオ部分では新しいところはあまりない・・・。
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だが、『マトリックス』でキアヌ・リーヴスのスタントを担当して意気投合し、続いて『リプレイスメント』『コンスタンティン』とキアヌからの全信頼を得たスタントマン出身のチャド・スタエルスキと、チャドと同様キアヌと過去に仕事を一緒にしてきたデヴィッド・リーチの2人が格闘術と銃撃をミックスさせた「ガン・フー」を『ジョン・ウィック』の作品上で生み出したのである。
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本編のアクションムーブを見る限りでは、ロシアの軍隊が提唱する近接攻撃時から確実に息の根を止める特殊部隊スペツナズ仕込みの格闘術「システマ」をアレンジしたスタイルになっており、「相手を倒して急所やポイントを撃つ、またはナイフでえぐり刺す」という基本系をキアヌがしっかり踏襲しているのは見事。
本来システマが持つ殺人術のポテンシャルは暗殺で、周囲に気付かれずサイレントキルを狙うことからナイフをメインにしつつ、必要に応じて銃撃するスタイルだが、本作で「ガン・フー」へと昇華させたことにより、大胆にアレンジが施されている。システマそのものはスポーツライクしておらず、「相手を殺すこと」を念頭に作られた格闘術のため無駄な動きが一切ない。本作でキアヌが腕を動かさず、体ごと向けて銃撃する独特な姿勢もロシア的なムーブだったりする。
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本来ならば映画というフィクションの世界では腕を振り回しての銃撃のほうが派手で見栄えもよい。しかし、チャドとデヴィッドは徹底的に実戦向けなリアリスティックさを求めたことからより現実味のあるシャープな戦闘を試みた。
例えば肘を固定し、体の向きだけ動かしての射撃はエイムの精度と安定感が抜群に上がる。これはシステマを生み出したスペツナズが得意とする連続発砲で相手を殺していく常套手段なテクニックでもあるのだ。
ただ、唯一難点なのは敵の状況把握がある程度できていないと難しいこと。実際のシステマでは、立ち状態で関節技を極めて素早くナイフキルしたり、そのまま敵を固定している状態をハンドガンを体へ押し付けてサイレンサー代わりに見立て至近距離から息の根を奪ったりと、通常のアクション映画では目撃することのないようなあらゆるパターンが存在している。

危険な格闘術&殺人術システマの奥深さを解説していたらキリがないのでほどほどにして、次は登場する銃をフィーチャーしたい。
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殺し屋家業を引退し、床下のコンクリートを破壊してまで封印中だった愛用のハンドガン「HK P30L」「グロック26」を掘り出し、殺された愛犬の恨みつらみ(+愛車奪取の報復)が漂うシーン・・・からの武装セットアップ、そこからの激しいアクションまでが同じ愛犬家としても叙情的且つ、敵は全員皆殺しにしてしまえ!との感情移入、というか没入感が本編始まって30分ほどの序盤で発生するんで、キアヌ=ジョン・ウィックには動物殺しが如何にして愚かだったかを(特に自身のペット)、身を持って殺処分される側に立たせてやれ!と気持ちが加速していく。
ちなみにロシアンマフィアはグロック17をカスタマイズしたものを所持。

特にキアヌが使っていた武器で一番萌えポイントだったのは、ゲーム『コール・オブ・デューティ』シリーズや『グランド・セフト・オートV』で気に入って使っていたkeltec製のダブルチューブマガジンを備えたブルパップショットガン「KSG」が登場したところ!
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新しめのショットガンのため、あまり映画では採用されていないことからの物珍しさも相成ってKSGを容赦なくぶっぱなすキアヌは最高にカッコイイ。

さらにさらに、個人的に大好きなアサルトライフルのHK416を使って「キアヌ無双」を始めるところも最高にクール。筆者の好きな銃ばかりを劇中でジョン・ウィックが使っているのもテンション上がる理由に拍車をかけてくれる。
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なお、公式サイトの説明によると、実はHK416ではなく米国製クローンモデルのCA-415だそうだ。

スナイパーライフルもこれまたブルパップ式の(スタッフたちは意図的にブルパップを登用しているに違いない!)「SRS-A1」でスナイピングさせたりなど、格闘術だけではなく銃撃戦もバラエティーに富んでおり、アクション映画好きやミリタリー好きであれば劇場へ足を運ばない選択肢はないはず。

最後に『ジョン・ウィック』が絡んだ(?)ゲームのお話を。
昨年10月の北米公開後に、日本では未発売の『Payday 2』なる銀行強盗など犯罪行為を主軸にしたFPSゲームのPC版(現在ではSTEAMにて日本向けの発売アリ)がリリースされた。
ここでキアヌ・リーヴスの顔を取り込んだポリゴンキャラ、つまり映画劇中のジョン・ウィックがプレイヤーキャラで登場し、ななななんと、強盗集団と共に銀行強盗を始めとして、自分自身でなんちゃってジョン・ウィックになって大暴れできたのである。よく製作陣も許可たよなぁ。
低予算の作品だからこそ自由度の高いプロモーション展開ができたという奇跡のコラボレーションであろう。だって、ジョン・ウィックは殺し屋という名の暗殺者なのに、ちんけな銀行強盗に成り下がってしまうわけだしね。

一方、日本国内でのプロモーションは都内にてインドアフィールドを展開しているASOBIBA新木場フィールド/秋葉原フィールドで『ジョン・ウィック』をモチーフとしたサバゲーを10月上旬から中旬に行うそうなのでこちらも興味深い。

スーツ・サバゲー イベント —映画『ジョン・ウィック』10月16日公開記念—
レギュレーションはスーツを着て「なんちゃってジョン・ウィック」モードなスタイルで戦闘するという、かなり珍しい試みで開催されるとか。
映画会社もこういう企画は積極的にドンドンやって、サバゲ界を盛り上げて欲しい。

イベント概要は下記の通り。

スーツでキメろ!「東京マルイ presents 『ジョン・ウィック』公開記念スーツ・サバゲーイベント powered by SG-FASHION-SNAP.COM」概要

■キャンペーン期間:10月3日(土)~17日(土)
■コラボ対象店舗:ASOBIBA秋葉原店、ASOBIBA新木場店
■特設キャンペーンサイトはコチラ

 コラボイベント特典

特典①:キャンペーン期間に「スーツでサバゲーされるお客様」は500円OFF!!
特典➁:
キャンペーン期間中にスーツ・スタイルでゲームに参加された方の中から抽選で10組20名様に映画観賞券をプレゼント!!
特典➂:スペシャルゲームDAY
以下の日程のジョン・ウィックゲームデーでは通常のゲーム以外にスーツ・スタイルの方限定「ヒーロー気分に浸れるスペシャル・ルール」のゲームを行います。

10月3日(土)16:00~@新木場店
10月9日(金)16:00~@秋葉原店
10月11日(日)16:00~@新木場店
10月14日(水)10:00~@秋葉原店

特典④:スーツサバゲーファッションコンテスト開催!
ジョン・ウィックゲームデーにはSG-FAHION-SNAP.COMによるスナップ撮影が入ります。
本ページ及びSG-FASHION-SNAP.COMに掲載されたサバゲーマーの中から、審査で選ばれた「ベスト・スーツスタイル・ゲーマー」1名様に東京マルイ提供のジョン・ウィックセットをプレゼント!
準グランプリには「ジョン・ウィック」着こなしセットを1名様にプレゼント!

ちなみにこの映画、早くも続編が同じスタッフで決定しているが、椎名桔平主演で作られた映画『レイン・フォール』を全米でテレビシリーズ化する(『レイン』というタイトルで現在製作進行中)キアヌは、『ジョン・ウィック』のチームを引き続きスタッフで招聘している。
しばらくは復活したアクションスターのキアヌを観れることに間違いないかと!

映画『ジョン・ウィック』本予告 (1:34)
[youtube]https://youtu.be/T_jx46y0DEk[/youtube]

『ジョン・ウィック』公式web

『ジョン・ウィック』公開記念スーツサバゲー特設サイト

ASOBIBAイベント詳細ページ←イベント申し込みはコチラから!

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ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズ(三才ブックス、マイクロマガジン)の著者であり、ゲーム・映画のコラムニストとして活動するかたわら、体を張ったフリーのジャーナリストとして数々の無茶ぶりなオーダーもこなす。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもり。

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