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COLUMNその他 2015.06.17

【連載】もと女性自衛官アヤベの「ここだけの話」その8~海上自衛官が仲間割れするとき


投稿者:綾部綾

こんにちは、アヤベです。

6月になりましたね。自衛隊では、6月1日から夏服です。

これにはちゃんと法に基づいた根拠があるんですよ。
自衛隊には「自衛官服装規則」というものがあって、その第2条 で
(1)夏期 6月1日から9月30日までの期間をいう。
(2)冬期 10月1日から翌年5月31日までの期間をいう。
と定められているからなんです。5月31日は、気温が30度を超えていても冬です! 感覚的には納得いきませんが、決められているので仕方がないのです。
暑い沖縄地方では別の期間が定められているのでご安心を。

この「自衛官服装規則」という決まりの下には、各幕ごとにそれぞれ「陸上自衛官服装細則」「海上自衛官服装細則」「航空自衛官服装細則」という細則があって、文字どおり細かく指定されているんですよ。

たとえば、自衛官服装規則第5条では、
(1)常装 (2)第1種礼装 (3)第2種礼装 (4)通常礼装 (5)作業服装 (6)甲武装 (7)乙武装 (8)特別儀じよう服装 (9)特別儀じょう演奏服装 (10)通常演奏服装 (11)演奏略服装 (12)特殊服装
の12種類の服装が定められています。

この(12)特殊服装については、陸海空それぞれの細則で定められています。陸上自衛隊は11種類、海上自衛隊は23種類、航空自衛隊は13種類もの特殊服装があるんですよ。

みなさまがよく目にする、いわゆる制服とは、ほとんどが第5条で定められた「常装」です。

アヤベの個人的な好みですが、自衛官の常装で一番かっこいいのは、海上自衛隊のものではないでしょうか? 特に夏は、上下ともに輝くばかりの白! 美しいですよねぇ! 美しいけれど、白って汚れが目立つし、くすみやすいもの。

この連載でも何度か申し上げたように、自衛官には「品位を保つ義務」というものが自衛隊法第58条で定められていますから、目立つ汚れがついていたり、くすんだりしている海自の夏制服も、大げさにいえば法律違反です。

海自隊員は、この白さを保つために苦労しているんですよ。

まず、貸与される官品制服のほかに、自腹で私物のシャツを購入するのがマスト! 貸与されるシャツだけでは絶対に間に合わないのです。陸自隊員や空自隊員も、夏制服の開襟シャツくらいは私物を1枚持っていたりするのですが、海自隊員は量と数が違います。

続いて、汚れの防止に気を使います。特に、食堂でごはんを食べているときに顕著に現れますね。制服姿の海自隊員は、料理の汁がはねないように静かに食事するので、とりわけお行儀がいいのが特徴です。

食堂で、海自隊員が苦手なメニューがあるんです。それは「カレーうどん」と「ナポリタン」。普通だったら、みんな喜びそうでしょう? でも、海自隊員にとっては仲間割れにつながるおそれがある地雷メニューなのです!

なぜかというと、うっかり箸から落ちたうどんがカレー汁に派手に着水したときや、スパゲティの麺先が予想外の軌道を描いて暴れたとき、自分のみならず、一緒に食事をしている仲間を攻撃してしまうことがあるからなんです。

どんなにお行儀よくしていても、時々起こってしまうこの悲劇。被弾した仲間はもちろんムッとして険悪なムードに。和やかな食事タイムが一気に戦闘モードです。

この緊迫した状態を修復するために必要なグッズが、歯磨き粉。ホテルや旅館の歯磨きセットに小さい歯磨き粉がついているでしょう? 海自隊員はあの歯磨き粉をポケットに忍ばせているんですよ。そこで、カレーうどん汁やナポリタン液がハネてきたら、応急処置としてすかさず練りこむ! そのあと洗えば、シミが定着しないんです。この応急処置のあるなしで、シミの目立ち具合がかなり変わるのだそう。

あの小さな歯磨き粉クン、海自隊員の団結の強化を補完するために、日々活躍しているんですよ。

続いて汚れやすいのは、みなさまもご存知のように襟と袖口。こちらはシミではないので歯磨き粉は使えません。専用の洗剤もありますが、汚れがつく場所はわかっているので、なんとか予防したいもの。

そこで利用するのがベビーパウダーです。赤ちゃんのおしりにパタパタする、アレです。天花粉なんて言ったりしますね。シャツを着る前に、このベビーパウダーを襟と袖口にパタパタはたいて布地に埋め込むのです

汗や汚れをベビーパウダーが吸着するので、服地が汚れにくくなるうえ、サラッとして着心地もよくなるんですよ。なんだか主婦の知恵みたいですが、海自隊員選りすぐりのこの技、普通のワイシャツやブラウスにも応用できるので、ぜひやってみてください。

アヤベも、海自隊員に教えてもらったベビーパウダー技をキメてから服を着ています。クリーニングに出す回数が減るのでとってもオススメ。いちど、黒いブラウスにも盛大にはたいてしまって、大変なことになりましたけどね。

同様に、海自隊員の上着とズボンが黒に変わる冬。中の白シャツにベビーパウダーをはたいている隊員の近くに、仲間の黒い上着やズボンがあったとき……あぁ、また仲間割れです。まぁ、ベビーパウダーくらいならシミほど深刻ではありません。すぐ仲直りするので大丈夫。日本の海の守りに影響はありません。

隊員は、基本的に自分のことはなんでもできちゃいます。普段の生活はみなさまとほとんど変わらないので、小さな生活の知恵が共有できることもあるんですよ。もっと身近に感じてほしいな!

イラスト:モノ

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WRITER PROFILE

綾部綾

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長崎出身、名古屋市在住、元航空自衛官。 ライター&プランナー。 料理と宴会幹事が趣味で、サバゲでは主に弁当、炊事、打ち上げ等の後方支援を担当。

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